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日本画 後藤純男
後藤純男は1930年に生まれた日本画家です。千葉県の生まれで真言宗の住職で育った後藤純男は厳しい家計ながらも、美しい教えなどの潜在的な芸術的センスを身につけており、その後の画家人世にも大きく影響を出すことになります。幼少時は転々と住居を変えていきますが、画家を志すようになっていきます。中学校を卒業した後に山本丘人に師事し、絵画技術の基礎を学んでいます。小中学校で教諭としながら生計を建てていきながら、勉強を続けます。そして、その3年後には山本の紹介により田中青坪に師事をしています。ここで、本格的に絵画技術を研磨していき、ついに1952年。後藤純男22歳の時に開かれた再興第37回院展で「風景」が初入選を果たします。この入選をキッカケに画家人世をスタートさせ、教員生活に終止符をうつ事になります。その後も数々の作品を描き続け、24歳の若さで日本美術院院友に推挙されるなど、徐々にではありますが実力と名声も手に入れていきます。そして、実家が真言宗であったということがここで大きな転機になるのですが、1955年頃から関西や四国の真言宗の寺を巡って生き、スケッチを続けることに没頭していきます。さらに、寺だけでなく北海道、中国など様々な場所へと赴いてはスケッチをし、その作品を仕上げては秀作を生み出し続けるのです。そんな寺を描いた作品の一つである1987年に描かれた「緑映(大原三千院三段の内)」ですが、重厚な雰囲気を醸し出す、様々な思いを感じ取れるような作品です。御殿門や石垣など、まさに凛とした印象の中にある幽玄な香り、まさしく真言宗を知る後藤純男だからこそ描くことのできる、強い情念を感じる素晴らしい作品になっているのです。真言宗を中心に描く後藤純男の絵画は同宗総本山の長谷寺に「春夏秋冬」が奉納されるなど、後藤純男は現在も芸術と宗教を強く結びつける重要な偉業を行い続けています。数々の地域で個展を開いては大きな称讃を受け続ける後藤純男。彼の功績は、大きくどこまでも語り継がれていくのではないでしょうか。
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